アイドリングストップ車のバッテリーって普通のバッテリーと何が違うの?
バッテリーの寿命はどれくらい?
こんなお悩みを分かりやすく解説して、あたなの疑問に答えます。
目次
アイドリングストップ車に通常バッテリーで代用できるのか?
結論:ダメ!絶対!
なぜなら、見た目は変わりませんが、その中身(性質)は大きく異なる。
従来車にアイドリングストップ車用のバッテリー。
アイドリングストップ車に普通のバッテリー。
はい、どちらもダメです。
なぜ??って思いますよね。
その理由はアイドリングストップ車ならではの電力事情(充電システム)大きく関わっているから。
分かり易く簡単に解説します。
アイドリングストップ車の充電事情
アイドリングストップ車は、車の停止中にエンジンを止め、アイドリング時の燃料をカットすることにより燃費を向上させる目的があるのはご存知の通り。
最近では、多くの車で採用されている機能ですね。
そのため、従来車に比べて頻繁にエンジンをON・OFFを繰り返すことになります。
その回数は従来車の約10倍(道路事情によっては30倍以上)ものエンジン始動回数になります。
車はエンジン始動時に一度に多くの電力が消費されるうえ、アイドリングストップ中でもエアコン、ライト、カーナビなどをバッテリーの電力だけで賄うことになるので、バッテリーには相当の負担がかかっていることになります。
従来車との充電事情の違い
従来車は頻繁にエンジン始動することを想定していないので、「ゆっくり充電(回復)されるシステム」。
グラフで見ると下図の様になります。
従来車はエンジン始動時に失われた電力を急速に補う必要がありません。
なので、「ゆっくり充電されるシステム」で「ゆっくり充電されるバッテリー」で良かった訳ですが、アイドリングストップ車(充電制御車)では少々事情が異なります。
※アイドリングストップ車は「充電制御」といい、緻密な制御をしています。こまかな説明は割愛します。
アイドリングストップ車に専用バッテリーが必要な訳
従来の充電システムでは、エンジン停止&エンジン始動が頻繁なアイドリングストップ車には充電が追いつかない。
充電される量よりも、放電される量が多くなるからです。なので
「急速充電されるシステム」と「急速充電に耐えられるバッテリー」が必要。
これがアイドリングストップ車用のバッテリーが必要な理由です。
難しい言葉でいうと、「充電受入性が高いバッテリー」と言いい、見た目は変わりませんがその性質は大きく異なります。
アイドリングストップ車のバッテリーの寿命
各バッテリーメーカーのバッテリー保証期間からそれぞれの寿命を推定します。
従来車…使用期間で2~3年 走行で4~10万キロ。
アイドリングストップ車…18か月 3万キロ。
どうです?極端に短く感じませんか? しかも従来バッテリーに比べてバッテリー自体の値段は1.5~2倍くらいします。
アイドリングストップ車のバッテリーが高価な理由
前述のとおり、アイドリングストップ車のバッテリーは頻繁に大量の電力を出したり入れたりしています。
当然、バッテリーに相当な負担がかかるはずですから、当然に耐久性も必要。
バッテリー内部のセパレータやグリッドという基礎根幹部分に耐久性のある部材が使われるので、当然高価になる。
余談…「アイドリングストップはあまり意味ない」という声もある。ただアイドリングストップの為に寿命の短い高価なバッテリーを使うのは本末転倒な気もする。
アイドリングストップ車のバッテリー寿命サイン
アイドリングストップ車に限らず、バッテリーの寿命の前にサインがあります。
それは「アイドリングストップしなくなる」(回数が減ってくる)です。
寿命が近いバッテリーは、急速充電についていけなくなり、電力受入性が落ち充電されにくくなるんです。
車に搭載されているバッテリーの充電を制御するコンピュータは、バッテリーの状態をいつも見張っています。
信号が赤になって、「いざエンジン始動!」となった時にバッテリーに十分な電力が確保されていないと「敢えてアイドリングストップさせない」のです。
なんだか、最近アイドリングストップしなくなったなぁ・・・思ったら注意です。
しかも、アイドリングストップ車のバッテリーは、その性質上突然死する傾向にありますのでサインを見つけたら注意が必要!
まとめ
・アイドリングストップ車のバッテリーは寿命が短いうえに高価。
・バッテリー寿命サインを見逃すな!突然死にも注意!
ただでさえアイドリングストップ車のバッテリーが高いのに、車屋さんやディーラーに頼むと工賃も発生する。
「自分でやってみるか!」とDIYでバッテリー交換をする人へ「便利グッズ」を紹介します。
これがあったら便利です。っていうか、車屋さんは必ず使っている道具です。
バッテリーを取り外した際にナビやオーディオの設定(メモリー)がキャンセルされてしまい時刻の設定をし直したり、余計な時間や手間がかかります。(最悪の場合、ナビのセキュリティーがかかり再起不能になることも)
そこで「バックアップ電源」を使うのです。
バッテリーを交換する前に「バックアップ電源」をセットしておけば、一時的にバッテリーを替わって電力を供給するので、メモリーが消えません。簡単にいうと人口心肺をイメージしてください。
こんなんで大丈夫です。
余談ですが…私も一個持っていて、誰かが使うときに「1回100円」でレンタルしています。すぐに元が取れました(笑