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【えっ常識なの?】新車から1,000kmでオイル交換が必要な理由

2020-09-16

オイル交換

困っている人
最近、新車を買ったんだけど、最初の点検でオイル交換を勧められた。 まだ1カ月しか経ってないし、距離もまだ1,000km。 本当に必要?

現役の車屋の私が、分かり易く解説します。

新車を買うとディーラーでは、まず無料の1カ月点検というのがあり、
そこで必ず勧められるのが「オイル交換」。

「まだ買って1カ月だし、走行距離も1,000kmだし必要?」って思う方もいらしゃるでしょう。
しかし、この1カ月点検でのオイル交換は…

ずばり、必要です!

では、その必要な理由を分かりやすく解説します。
まずはエンジンオイルの役割をしっかり理解してから

目次

エンジンオイルの役割

エンジンは約1万点もの部品で構成され、その内部では金属部品が高速で擦れ合って動いています。
その潤滑に「エンジンオイル(油)」が使われています。

エンジンオイルは潤滑の役割だけではなく、エンジン内部のお掃除屋さんの役割も担っているって知っていましたか?

エンジン内部では金属が擦れ合い、その際に微量の削れカスが出ます。
その削れカスをエンジンオイルが回収している訳です。
新品のエンジンオイルはハチミツの様な色をしていますが、古くなったエンジンオイルは、中濃ソースみたいに黒く濃くなります。
燃料が燃えるときに出来たススがオイルを汚す主な理由ですが、あの中には微量な金属の削れカスが多く入っているのです。

次は、なぜ新車から1,000kmで交換するのか?です。

新車から1,000kmでエンジンオイルを交換する理由

最近の車はかなりの高精度で部品が作られていますが、素材も形も違うものを寄せ集めたら、ギクシャクするのは当然です。
ましてや高温下で高速で回転してたら、もう修羅場ですよ。
新品の部品同士が馴染むまで、ある程度はお互いに削れて丸くならないと円滑な関係になりません。人間関係と一緒。
車屋さんではこの円滑になることを「アタリが付く」と言います。

新車から1,000kmくらいまでがエンジン内で金属の削れカスが一番多く発生する。

感覚的には、お米研ぎをイメージすると分かり易いと思います。
お米を研ぐとき、最初の水が一番濁りますよね?
お米同士が擦れて削れたりして水が濁るわけですが、何回やっても水が完全に澄むことはない。
それと一緒です。

ね?分かり易いでしょ?
エンジンの内部では同じことが起こっているんですよ。

次は、1,000kmでエンジンオイルを交換しないとどうなる?です

新車から1,000kmでエンジンオイルを交換しないデメリット

1,000kmでエンジンオイルを交換する理由について解説してきました。
次は、「じゃ、交換しないとどうなるの?」という疑問が出てきますよね?

結論、1,000kmで交換しないとすぐさま壊れるこはない。だけど…


金属の削れカスを含んだエンジンオイルを使用し続けると、エンジン内部にどんどん蓄積されます。
なぜならオイル交換でオイルと一緒に排出する以外に外に出せないから。
人間の血液と違い、浄化してカスだけを排泄物として外に排出する術はありません。
(オイルフィルターは付いていますが、浄化機能ではないので…)
交換するしかないのです。

金属片の混じったオイルを使用し続けると、せっかく角が取れて円滑になった金属関係が逆にギクシャクし悪循環になります。
新車から1,000kmで、エンジンオイルが黒くなるような汚れはありませんが、細かな金属の削れカスがワンサカ!

イメージしてください。
白く濁ってとろみの出てきた研ぎ汁のまま、さらに研ぎ続けますか?

まとめ

ここまでを簡潔にまとめてみます。

・車から約1,000km走行時、または新車1ヵ月点検時に交換する。
・なぜなら、エンジンオイルに金属の削れカスが一番多く発生するから。
・お米のとぎ汁をイメージすれば、どうすれば良いのかは自明の理。

以上!

 

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くるまる

車と趣味の釣りを愛しています。某ディーラー系販社で鈑金塗装職人→社内講師→中古車仕入れ担当→ 一応管理職です。車に関する小ネタや中古市場相場のコラムを配信しています。

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